台湾人は英語通じるのか?通じない?英語力は?日本語力は?
年々、台湾への日本人旅行客が増えています。
みなさんの中にも台湾旅行が好きという人が多いことでしょう。
でも台湾は海外です。
台湾の公用語は中国語ですし、英語だって全員に通じるわけではない。
ましてや日本語なんてもっと通じません。
だから旅行で現地の人とうまくコミュニケーションがとれるかどうかは不安なところですよね。
というわけで今回は台湾の言語事情についてです。
台湾の言語、台湾人の英語力、台湾人の日本語力について、私の経験をもとに説明させていただきます。
台湾の母語は中国語と台湾語
台湾人の母語は中国語と台湾語の二つです。
とはいえ全ての台湾人が二つともペラペラというわけではないんですよ。
例えば、ほぼ全ての台湾人が中国語を話しますが、一部の老人は中国語を話しません。
また、台湾語が話せるかどうかは年代や家庭によってバラつきがあり、一般的に若者は台湾語が下手だと言われています。
これを分かりやすく表にまとめると以下のような感じになりますね。
得意な台湾人 | 不得意な台湾人 | |
中国語 | 老人以外ほぼ全員 | 一部の老人 |
台湾語 | 戦前から台湾に住んでいる老人
南部人 |
戦後中国大陸から渡ってきた老人
家庭内で台湾語を使わない若者 |
このへんの事情は以下の記事にさらに詳しくまとめてあります。
台湾人の英語力は?
というわけで、台湾人にとっても英語はもちろん外国語です。
ですが、台湾に長年住んでいる私の印象としては、台湾人は日本人より英語が上手です。
特に、若者、大卒以上の者、サービス業関係者には英語が上手な人がたくさんいますよ。
以下でこれらの人々について詳しく説明していきます。
若者
ご年配は英語が話せなくて、若者は話せる傾向にあります。
これだけ聞くと「日本の若者もそうじゃん」と思うでしょう。
ですが、台湾の若者は本当に英語が上手なんですよ。
というのも、台湾では2001年より小学校から英語を教えており、国として英語教育に力を入れています。
また、あまり大きい国ではないので内需が小さく、このグローバルな時代に生まれた若い人の間には「外国語を覚えて外国と仕事をしたい」という意識があります。
これらの理由により、特に若者は英語学習に対する意欲が高く、英会話が上手な若者が多いのです。
大卒者
台湾の大卒者は継続的に英語を勉強しているため、そうでない人に比べて英語ができる傾向にあります。
これだけ聞くと「日本の大卒者も高等教育を受けているじゃん!」と思うでしょう。
しかし、日本は高学歴だからって英語が話せるとは限りませんが(読解は得意)、台湾はそこそこの大学にも綺麗な英語をしゃべる人が多いです。
これは勉強法や国民性が関係していて、とにかく会話力が身につく勉強をしているのだと思われます。
また、先ほども書きましたが、台湾の若者は外国(欧米や日本)で仕事をするという意識が強いです。
特に高学歴で能力が高い者ほど外国で仕事がしたいと考えています。
これはおそらく台湾国内の給料が低いため、海外に行って稼ぎたいというのが大きな理由でしょう。
とにかく多くの大卒者は英語を身につけて海外で働くことを夢見ています。
サービス業に関わる人
観光地、ホテル、駅などサービス業に従事している台湾人はかなりの確率で英語ができます。
もちろん、なかには英語ができない人もいますが、基本的には英語ができる人が多いですね。
特に、日本人が必ず行く「士林夜市」や「九份」などの有名観光地や、多くの旅行客が利用する台北駅には英語ができる人がたくさんいます。
なので普通に台湾旅行するぶんには、英語のコミュニケーションは問題ありません。
安心して旅行をお楽しみください。
(後述しますが、実は観光地にはかなりの確率で日本語ができる店員もいます。)
大都市圏(台北、桃園、新竹、高雄など)
これはどこの国も同じでしょうが、大都市圏には国際企業や高学歴者が集まる傾向があります。
台湾でも台北、桃園、新竹、高雄などの大都市圏には英語ができる人が多いです。
台北は台湾の首都。よって外資系企業や国際企業がたくさんあります。
桃園には台湾最大の空港があり、航空会社関係者や貿易関係者が多くいます。
新竹にはサイエンスパークという理系技術者が集うエリアがあります。
南部の都市・高雄には貿易港があります。よって海外からの貨物も多いです。
というわけで統計はとっていないですが、この4都市は英語ができる人が多いでしょう。
その他の地域は外資系企業や国際企業が極端に少ないイメージですね。
だから英語ができる人も少ないと思われます。
台湾で日本語は通じるのか?
観光地やホテルでは日本語が通じることも
結論から言うと、観光地やホテルには日本語ができる人がいますが、観光地以外ではあまり通じません。
確かに台湾の日本語学習者数は多いと言われています。
ですが、絶対数でいうと英語ができる人の方が圧倒的に多いです。
なぜなら英語は義務教育で小学生から勉強してるし、その後も継続的に勉強してますから。
しかもなんだかんだ言って英語は地球語ですからね。
でも町中で日本語を話していると、まれに視線を感じることはあります。
もしかしたら、視線を送ってくる台湾人は日本語学習者なのかもしれません。
これはあくまで推測にすぎないんですけどね。
また、カフェや電車の中で日本語の教材を広げている人も時々見かけますね。
その場合は別に話しかけたりはしませんが、心の中で「頑張れ!」ってささやきます。
そっとエールを送るんです。
漢字での筆談はなんとなく可能!60〜70%くらいはお互いに理解できます。
台湾は漢字圏です。
本当に困った時は筆談をすることも可能です。
しかし、簡単な単語以外は意外と通じないことが多いです。
中国語を勉強すると分かりますが、同じ漢字でも日本語と中国語で意味が違ったりするのです。
全て筆談でやりとりができるわけではないので注意が必要です。
駅の窓口で地名を伝えるくらいなら問題なく可能ですよ。
台湾人に知られている日本語
日本語ができる台湾人はそこまで多くないですが、台湾人の間でよく知られている日本語というものはあります。
例えていうなら、中国語ができない日本人でも「我愛你(ウォーアイニィ)」が知られているような感じとでも言いましょうか。
台湾人に知られている日本語
ありがとう
こんにちは
変態
馬鹿野郎
愛してる
日本人
〜の(ofの意味で)
おばさん
おじさん
頭
頭コンクリ(頭がカタイ人という意味)
可愛い
本当に?
りんご、ゴボウなど食べ物の名前
ブラジャー、タイルなどの外来語
上に書いた日本語は、老若男女ほとんどの台湾人が知っていると思われます。
というのも、「おばさん」や「おじさん」など一部の日本語が台湾語の中に残っているからです。
(台湾はむかし日本の領土だったことがあり、一部の日本語単語がまだ台湾語の中に残っている。)
補足データ(東アジアの英語力)
台湾人の英語は上手です。
非英語圏の英語力テスト「EF英語能力指数(EF EPI)2019年」によると、台湾は38位で日本は53位でした。
■EF英語能力指数(EF EPI)の東アジアのランク
世界ランク |
点数 |
|
香港 |
33位 |
55.63 |
韓国 |
37位 |
55.04 |
台湾 |
38位 |
54.18 |
中国 |
40位 |
53.44 |
マカオ |
41位 |
53.34 |
日本 |
53位 |
51.51 |
香港は国というより都市ですし、高学歴者が集まっているので、順位が高くなります。
韓国の英語学習も有名であり、実際、日本よりも海外に出ていこうと考える人が多いです。
台湾は国土が狭く、国内賃金が低いため、韓国と同じように海外を相手に稼ごうという考えが強いです。
よって、台湾人は日本人に比べると英語を熱心に勉強している人が多いイメージです。
問題は中国のランキングです。
都市ではなく、国内市場が大きいのに、日本と順位の開きがあります。
これは私の分析ですが、中国人は日本人に比べて間違いを恐れず、外国語の習得に適しています。
また、母国語が一つじゃない人も多く(中国標準語と広東語の両方が話せる等)、もともと第二言語を学ぶということがどういうことかを理解している人が多いというのも要因の一つかなと思います。
まとめ
- 台湾人の母国語は中国語と台湾語。英語は公用語ではない。
- しかし一般的に台湾人の英語力は日本人よりも高い。
- それは会話に重点を置いた勉強法や、間違えることを恥ずかしがらない国民性が関係しているのかもしれない。(英語そこまで上手くないのにガンガン英語で喋りかけてくる台湾人とかいてそのタフさにビビる)
- ご年配よりも若者の方が上手に英語を話す。
- 大卒者は上手に英語を話す。
- サービス業関係者(観光地、ホテル、駅など)にいる人は上手に英語を話す。
- 台北、桃園、新竹、高雄などの都市部は、その他の地域に比べて英語が上手な人が多い。
- 観光地やホテルでは日本語が通じることもある。ただし、英語に比べると日本語ができる人は少ない。
- 台湾語には一部の日本語が残っている。特に「馬鹿野郎」「おじさん」「おばさん」などの言葉は使わないようにしよう。(「おじさん」「おばさん」は台湾ではとても老けている相手を呼ぶときに使う。)
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