台湾の空気汚染(大気汚染)は深刻。台北よりも南部がひどいです。
台湾の空気は日本と比べるととても悪いです。
台湾では外出するときに天気だけでなく空気の汚染度もチェックするほどです。
日によっては汚染がひどすぎて外出を控えることもあるくらいです。
特に呼吸器系が弱い人は心配でしょう。
ここでは台湾の大気汚染のひどさや旅行者でもできる対策について解説していきます。
台湾の空気汚染(大気汚染)ってどのくらいひどいの?
2016年にOECD(経済協力開発機構)が発表した環境品質指標ランキングで、台湾は「空気汚染」の項目で39カ国中37位にランクインしました。つまり、下から3番目に悪い結果となったのです。
台湾の大気中にはPM2.5という汚染物質が多く含まれています。PM2.5は人間の産業活動によって排出された小さな物質です。炭素、金属類、硝酸塩、硫酸塩などが主な成分であると言われています。
台湾のPM2.5濃度はWHO(世界保健機構)の基準値の約2倍です。台湾では肺がんや児童喘息のリスクが通常より15%、脳卒中や心臓疾患のリスクが通常より25%も高いと言われています。
OECD加盟の39カ国中、台湾の空気は下から3番目の汚さだった。
PM2.5は様々な病気の元になるため旅行者も注意したい。
台湾の空気汚染(大気汚染)はどこから来る?中国から?
では、台湾の汚い空気はどこから来るのでしょうか?
多くの人が中国から汚い空気が来ている考えますが、実は台湾の大気汚染の66%が台湾自身に原因があります。
台湾は車やバイクの交通量が多く、排出ガスも非常に多いです。また、台湾は原子力発電所を廃止して火力発電に大きく依存しており、火力発電所の排出ガスの影響が大きいです。そして、台湾は鉄鋼工場や石化工場も多く、排出ガスによる汚染も懸念されています。これらが台湾の大気汚染の主な原因と言われています。
ただ、残りの30%ほどは中国が原因であるのは確かです。季節風により中国から汚い空気が流れてきています。
台湾の大気汚染の66%が台湾由来であり、車やバイク、火力発電所、工場などが主な原因です。
台湾北部よりも台湾中南部の方が大気汚染が深刻。
台湾の大気汚染は、北部よりも中南部の方がひどいです。
台湾は南西部の火力発電所から北部へ電気を送っているという背景があり、どうしても南部の方が発電所の排出ガスが多くなってしまいます。また、南西部には多くの工業地帯があり、ここ一帯の工場は常に煙を出しています。
そのほか、台湾の真ん中には3000メートル級の高い山脈があり、季節風が山脈にせき止められるため、台湾中南部では中国からの空気や台湾の工場で発生した空気が蓄積しやすいです。
北部は季節風が山脈にせき止められず雨がよく降るため、汚染された空気が蓄積しません。中南部の冬は特に雨が少ないため、冬に空気が最も汚くなります。
台湾の大気汚染は中南部が深刻。
中南部は工場が多く、地形や気候の影響もあり、北部よりも空気が悪い。
毎日の台湾の大気汚染状況をチェックできるサイト
Beijing Air Quorityでは、毎日の大気汚染の状況をチェックできます。
汚染レベルが色と数字で表示されていて、緑色は良い、黄色はやや悪い、紫や赤は危険信号です。
旅行時に簡単に確認できるので便利ですよ。
Beijing Air Quorityでその日の大気汚染の状況をチェックしよう。
台湾旅行でできる大気汚染対策
最後に台湾人が普段から行っている大気汚染対策を紹介します。
旅行者でも簡単に実践できるので参考にしてください。
サージカルマスクをする
一番シンプルで効果があるのがマスクをすることです。
小学校の給食当番がしているようなマスクではなく医療用のサージカルマスクがいいでしょう。
台湾は蒸し暑い国なので外でずっとマスクをしているのは辛いです。
水分を補給したり直射日光を避けたりして熱中症に気をつけましょう。
交通量の多い車道の近くを歩かない
台湾に行ったことがある人ならご存知でしょうが、台湾の道はバイクでいっぱいです。
台湾の車道はバイクの排気ガスが充満しておりとてもじゃないけど空気がいいとは言えません。
当然、呼吸器系の病気になる可能性があるので交通量の多い車道の近くは歩かないようにしましょう。
大気汚染がひどい日は室内観光をする
Beijing Air Quorityでその日の大気汚染の程度をチェックしましょう。
もしその日の空気が汚かったら室内型の観光地をまわりましょう。
具体的には、以下が室内型の観光地です。
台北:台北101、故宮博物院、台北市立美術館、国立台湾博物館、華山1914文化創意産業園区
台中:宮原眼科、台中国家歌劇院、彩虹眷村、台中文化創意産業園区、第四信用合作社、礫社
台南:赤嵌楼、神農老街、国立台湾文学館、鄭成功文物館、林百貨、奇美博物館、臺南市美術館1館&2館
高雄:85大樓、高雄市電影館、駁二芸術特区、国立科学工芸博物館、佛光山
臨機応変に旅行プランを変更すれば大気汚染が心配でも安心して楽しめるでしょう。
台湾在住の人ができる大気汚染対策
空気清浄機を使う
家庭で空気清浄機を使っている台湾人は多いです。
空気は健康に関係がありますし毎日のことなので投資を惜しみません。
大通り沿いの家は避ける
大通り沿いの住宅は避け、交通量が少ない場所に住むとよいでしょう。
台湾のバイクの排出ガスは想像以上に体に害を及ぼします。
大通りの近くに住むと四六時中排出ガスを吸うことになるので危険です。
台湾東部に住む
都市部にこだわらない人(老後のロングステイなど)は台湾東部を選ぶのもいいでしょう。
台湾東部とはつまり宜蘭県、花蓮県、台東県の三県のことです。
台湾東部は大気汚染が少なく日本と変わらない新鮮な空気を吸うことができます。
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